「公認会計士」は合格率が約10%の難関国家資格です。
資格合格のハードルが極めて高く、また合格後もすぐには公認会計士にはなれません。
公認会計士は上場企業などに義務付けられる「監査」(決算書・財務財務諸表のチェック・報告など)を唯一行える職業で、その社会的意義はとても大きなものです。
しかし、一般では身近な存在とは言い難く、公認会計士にどうやったら慣れるのかよく分からないという方も多いでしょう。
そこで、本記事では公認会計士の試験突破から勉強方法までわかりやすく解説します。
※本記事は、10分ほどで読むことができます
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全体像を解説
はじめに、公認会計士のなり方について全体像を解説します。大きく分けると「試験編」「就職編」「登録編」に分けることができます。全体の流れは以下のようになります。
公認会計士になるには、まず公認会計士試験に合格する必要があります。試験には一部の免除要件はあるものの、試験全部が免除されることはありません。
つまり、「公認会計士試験」を必ず突破することになります。
公認会計士になるには 【試験編】
公認会計士試験はどのような試験制度で、どのような人たちが受験しているのでしょうか。続けて、試験制度と受験者データを見ていきます。
受験資格
公認会計士は弁護士、医師と並んで三大国家資格と言われています。
しかし、これらの資格と大きく違う点があります。
それは受験資格が必要なく、誰でも受験できるという点にあります。
弁護士、医師、税理士、公務員試験のように、国家試験には受験資格が必要とされることが多いです。それがないという点から難関試験であるにも関わらず受験しやすい試験と言えます。
ちなみにですが、2005年以前の旧試験制度では、大学卒業や旧1次試験合格などの試験が必要でした。しかし現在、2006年以降の新試験制度では受験資格への制限がなくなり、年齢・性別・学歴・国籍を問わず、誰でも公認会計士試験を受験をすることが可能となりました。その結果、高卒者や大学在学中に合格する方が増え、幅広い年代の合格者が誕生しています。
公認会計士は、誰でも挑戦できる「開かれた試験」と言えるでしょう。
公認会計士試験の概要
続いて公認会計士試験の流れを見ていきましょう。
次の図のように短答式・論文式の2段階試験となっています。
「短答式試験」の合格者が「論文式試験」を受験できます。
短答式試験の概要
短答式試験は、12月下旬と5月下旬の年2回の受験チャンスがあります。
この短答式試験を合格したものだけが、論文式試験受験の権利を与えられます。
短答式試験合格者は翌年、翌々年の短答式試験を免除され、合計で3回、論文式試験に挑戦できます。
論文式試験の概要
論文式試験は年1回、8月に行われる論述式の筆記試験となっています。
短答式試験の試験科目に、租税法と選択科目の二科目が加わります。
また、短答式試験と違い相対評価の試験となっています。
合格基準は偏差値相当で52前後と言われています。受験生の平均よりも少し上回れば合格できるということです。
しかし、総合成績で52を下回ってしまうと不合格となってしまいます。
ただし、成績の良い科目があれば、その科目は「一部科目免除制度」により。向こう2年間の論文式試験を科目免除できます。
資格免除制度
〈短答式試験〉の免除制度(一例)
免除対象者 | 免除科目 |
税理士となる資格を有する者 | 財務会計論 |
税理士試験の簿記論及び財務諸表論の合格者及び免除者 | 財務会計論 |
会計専門職大学院において、財務会計に関する科目・管理会計に属する科目・監査に 属する科目に関する一定の単位を履修し、修士(専門職)の学位を授与されたもの | 財務会計論 管理会計論 監査論 |
司法試験合格者 | 短答式免除 |
<論文式試験>の免除制度(一例)
免除対象者 | 免除科目 |
税理士となる資格を有する者 | 租税法 |
不動産鑑定士試験合格者 | 経済学または民法 |
司法試験合格者 | 企業法及び民法 |
受験にかかる期間と勉強時間
受験勉強を始めてから合格するまで、1,5〜2年をを目標にする人が多いです。
しかし、この目標設定通りに合格している人というのはごく僅かであり、2〜4年かかってしまう場合も少なくはありません。
また、勉強時間は最低3000時間と言われています。
短答式試験においては1500〜2000時間の勉強時間が必要であると言われています。
受験者の年齢層
年代 | 願書提出者数 | 構成比 |
24歳以下 | 6,673人 | 47.0% |
25~29歳 | 3,056人 | 21.5% |
30~34歳 | 1,710人 | 12.1% |
35~39歳 | 1,099人 | 7.7% |
40歳以上 | 1,654人 | 11.7% |
※(参考)公認会計士・監査審査会「令和3年公認会計士試験合格者調査」
経済・商学系の大学生(既卒者)が多い傾向はあるけれど、そもそも受験資格が不要なため、幅広い経歴の人達が受験しています。。だから学部や学歴は受験には関係ありません。実際高校在学中に合格する人もいるくらいです。
合格者の平均年齢は、毎年25歳前後で推移しています。
最年少合格は例年18~19歳。過去には、史上最年少16歳の高校生が、TACの教材で合格しています。
最高年齢は毎年50~60代と高いですが、既に会計実務に携わられている方、旧試験制度のみなし合格者、大学教授などの特殊なケースであると考えられます。
試験合格後に監査法人等へ就職することを考えると、20代のうちに合格を目指したい試験と言えます。
勉強方法
公認会計士試験の受験生のほとんどは予備校に通っています。
独学で目指している人もいますが、一番最短で受かるには予備校に通うことをお勧めします。
なぜなら、公認会計士試験の合格者においてもほとんどが予備校出身者であるからです。
予備校に通うのも平均的に50〜70万円ほどかかってしまうので、受験する際にはこの費用も考慮して考えてみてください。
ちなみに合格者のほとんどはCPA会計学院、資格の大原、TACから出ています。
個人的には、CPA会計学院がおすすめです。
なぜなら、近年圧倒的な合格数を誇っているからです。
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以下の記事で公認会計士の予備校について解説しているので、気になる方はお読みください。
公認会計士になるには 【就職編】
公認会計士試験に合格後、合格者はどのように就職(転職)するのでしょうか?
ここでは、試験合格ごの「就職活動」について説明します。
試験合格後の就職先
公認会計士試験に合格したら、監査法人で働くのが一般的です。
公認会計士の、登録要件に実務経験3年が必要なため、多くの合格者はまず監査法人へ就職(転職)します。近年では合格者を求める求人需要が強く、合格者有りの売り手市場が続いています。
国内には約250社の監査法人があります。その中で、大手監査法人が4社あり「Big4」とも呼ばれています。この4社で国内上場会社の監査業務シェアの約8割を占めており、所属する公認会計士が3,000名を超える法人もあり、人気の就職先となっています。
公認会計士、監査法人の給与水準は、一般企業と比較して高水準にあります。
収入について詳しく知りたい方は、以下のページもご参考になさってください。
就職活動の流れ
監査法人の就職活動は、いわゆる新卒の就職活動とは異なります。
監査法人の採用活動は「公認会計士論文式試験合格者」を対象にしており、「新卒採用」という概念は基本的にありません。
大学卒業後から合格を目指す人もおり、公認会計士試験を基準に採用スケジュールが組まれています。
合格発表から内定まで2週間で決まることが多いです。
その点試験さえ合格してしまえば、超ハイスピードで就職活動が終了します。
もし、大学3年生で合格した場合には、合格した年度に就職活動を行い、大学卒業までの約1年間は自分の自由な時間を過ごせます。監査法人によっては「非常勤スタッフ」として大学3年生から実務に携わるケースもあります。
なお、一部の監査法人では「短答式試験合格」の段階で、補助スタッフの採用を行うケースもありますが、採用人数は少数で一般的ではありません。確かに給与がもらえますが。、最終ゴールである「論文式試験合格」を目指して試験に取り組むことが最優先事項であることは間違いありません。
公認会計士になるためには 【登録編】
公認会計士になるためには、公認会計士試験合格に加え、公認会計士登録を行う必要があります。ここでは、公認会計士登録に必要な要件について解説します。
試験合格後から登録までの流れ
公認会計士は短答式・論文式の公認会計士試験を合格したからといって慣れるわけではありません。
正式に公認会計士を名乗るためには、「公認会計士協会」への名簿登録が必要であり、登録には要件があります。
公認会計士登録には前述の通り3要件が必要です。
[ 1 ] 業務補助2年は、合格後に監査法人で就業することでクリアできます(一般企業で満たせるケースもあります)。
[ 2 ] 実務補習3年は、実務を学ぶ「実務補習所」と呼ばれる機関に3年間通い、一定の単位を取得することで満たせます。通常は監査法人で働きながら週1~2回程度、平日夜(もしくは土日)の講義に参加します。なお一定要件を満たせば期間短縮も可能です。
[ 3 ] 修了考査は、言わば実務補習所の卒業試験(年1回)です。合格率は50~60%前後と比較的高く、再受験も可能で、合格期限もありません。
公認会計士登録費用
全ての要件を満たしたら、いよいよ公認会計士登録が可能となります。
登録に必要な書類と登録料を用意して、承認されれば晴れて公認会計士となります。
登録料は以下のようになっています。
項目 | 費用 |
登録に係る費用 | 登録免許税(6万円)、入会金(3~4万円)、施設負担金(5万円) |
登録後の会費(年会費) | 本部会費(6万円)、地域会会費(4.2~6万円) |
公認会計士登録については、日本公認会計士協会ホームページにて詳しく案内されています。登録時に必要な書類や登録の流れについて知りたい方は、ご参考になさってください。
参考リンク:公認会計士開業 (日本公認会計士協会)
まとめ
公認会計士は、医師、弁護士と並ぶ3大国家資格となっています。
そのため、試験の難易度も高く登録するまでの期間も長く険しい道となっています。
しかし、合格し登録が完了したとき、大きな達成感と安定が待っています。
最大の関門は「公認会計士試験合格」です。
受験には相応の時間と費用がかかるので、じっくりと自分の将来像を考えた上で目指しましょう。
また、公認会計士をこれから目指す人は、無料で資料請求ができるので調べることから始めてもいいかもしれません。
以下の記事で公認会計士の予備校の比較をしているので、ご参考になると幸いです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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